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テニスの試合でプレーヤーはどれくらい走るか――横浜テニス研究所が考案した測定法を昨日の記事で紹介しましたが、それに匹敵(?)するような専門的研究が『新・テニスの科学』という本に載っていたので紹介します。 簡単に言うと、選手の頭に超音波と電波の発信機(ヘッドフォンのような形状)を装着し、コートサイドに置いた受信機で選手の位置を測定するというものです。超音波と電波は速度が異なるので、その到達時間の差から選手と受信機の距離がわかり、受信機を複数設置することで、選手の位置が特定できるというわけです。テスターは、プロトーナメントプレーヤーと大学テニス部の選手です。 同書の結論を引き写します。 ●ダブルス1セット(13ゲーム/89ポイント)で、選手Aの移動距離は669.9m、選手Bは607.0m。 ●サーバーとしてプレーする時の移動距離が最も長く、サーバーのパートナーやレシーバーとしてプレーする時の2~3倍。 ●移動の最大速度は選手Aが3.69m/秒、選手Bが3.22m/秒 ●本格的競技レベルのサーバーは、毎秒4m程度のスピードで15m走り続けることを、最大30秒の休憩をはさんで10回程度繰り返す体力が必要。 ●シングルスの1ポイントの平均移動距離は13m程度。 シングルスの結論の根拠となっている測定結果は以下の通りです(55ポイント測定した結果の平均)。 移動距離:A12.4±8.9m B13.4±8.6m 平均速度:A0.93±0.3m/秒 B1.02±0.4m/秒 最大速度:A2.66±1.1m/秒 B2.90±1.2m/秒 ダブルスと同じ89ポイントに引き直すと、Aの移動距離は1103.6±792.1m、Bは1192.6±765.4mとなります(±以下の測定誤差をどう扱うのが正しいのか自信がありませんが)。ごく大まかにいってダブルスの2倍ということになります。 力量が接近していれば1ポイントも長くなりますし、ジュースの繰り返しで総ポイントも増えます。プレースタイルによっても違いがあるはずです。1試合で走る距離、などという括りはあり得ないのですが、それでは面白くありません。ということで、(ここから先は私の勝手な断定です)シングルスで走る距離は1セット1km強、もつれれば2km弱……ということでいかがでしょうか? 『新・テニスの科学』(日本テニス研究会監修、テニスジャーナル編、スキージャーナル刊、1994)「第12章 ポジショニングの秘密に迫る……テニス・プレイヤーの位置検出システムの開発」を参照しました。写真と図版も同書より。古い本なのでその後さらに精緻な研究が行なわれているかもしれません。 ●ご用とお急ぎでない方は下のアイコンに応援のワンクリックをお願いします。
by tennis_passtime
| 2008-11-28 22:48
| ●雑学・技術・科学
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