カテゴリ
記事ランキング
最近読んだ本
おすすめリンク
以前の記事
検索
その他のジャンル
|
![]() テニス界は挙げて、間もなく始まる全米オープンに関心を移しているというのに、横浜テニス研究所はウィンブルドンが舞台の本の紹介を続けます。 川上健一『宇宙のウィンブルドン』(集英社文庫)は、サーブだけでウィンブルドンで優勝してしまう日本人プレーヤー、杉本宇宙の物語です。 「サーブだけで」というのは誇張ではありません。宇宙は文字通りサーブしか打てないのです。ストロークもボレーも何もできないので、リターン・ゲームは必ず落とします(というか、ラケットを振りません)。しかし、サーブは超人的なので、自分のサービス・ゲームは必ず勝ちます。 この奇妙奇天烈な設定で何が起こるでしょうか? 対戦相手は剛球サーブを受けて気絶もしくは負傷でリタイアするか、ゲームカウント6-6まで行ったあとのタイブレークでダブルフォールトを犯して負けるか、戦意喪失してリタイアするか、作者の都合によりいずれかのパターンで宇宙に敗れるのです。 実にそれだけのドタバタ・コメディーです。 どんだけ~!? テニスクラブの片隅でサーブの練習だけしていた少年が、デビスカップ日本チームの目にとまり、ジャパンオープンの予選にワイルドカード(主催者推薦)で出場して優勝し、それで出場権を得たウィンブルドンでも優勝してしまいます。うっかり読み飛ばしていなければ、宇宙はキャリア通算14試合でウィンブルドンを制覇しています。 サーブだけの試合が単調なように物語も単調です。単調ではありますが、そこそこ面白いです。本戦に出場さえできないのが日本の男子テニスの現実ですから、並み居る強豪を粉砕して優勝というのは痛快でもあります。 私が読んだのは文庫版ですが、親本の出版は1986年。この物語のなかで宇宙が破った外国人テニス選手は以下の通り。往時の空気が漂ってきます。きませんか? 書き写していても恥ずかしくなりますが(笑)、これがこの作品の味です。こういうのが嫌いでない人はそれなりに楽しめると思います。 キニセント・パン・バター アンリマ・ポコント サミー・ジアマリバッカ エンドレス・ゴメンス マッツ・ニランデル ソレーワ・イエルリード ヤニクイ・ノラ パット・イズ・キャッシュ ジミー・コナクソーズ イワン・イチドル ジョン・マッケンゾー
by tennis_passtime
| 2007-08-21 00:48
| ●読書ノート
|
ファン申請 |
||