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![]() 長いあいだツン読だった、ラッセル・ブラッドン著『ウィンブルドン』(新潮文庫=絶版)を昨晩読み終えました。The Finalistsという原題どおり、ウィンブルドンの男子シングルス決勝戦に進出した2人の選手が主人公のサスペンスです。 決勝戦が始まったとき、大会主催者に電話が入る。コイノア・ダイヤモンド(英国大冠を飾るダイヤモンド)を決勝戦が終わるまでに指定の場所に指定の方法で運べ、従わなければ観戦中の女王と優勝者を射殺する、という脅迫だった。 決勝に進出したのは、一本気な正義漢、オーストラリア人のゲイリー・キング(24歳)と、彼を兄と慕う純粋無垢な亡命ソビエト人のヴィサリオン・ツァラプキン(18歳)。何としても試合を長引かせなくてはならないという事情を、若いツァラプキンだけが知ることになる。 読ませどころは―― ・限られた時間の中での捜査の進展と遅滞。 ・そんな異常事態にもかかわらず歴史的好ゲームとなった試合の模様。緊迫したラリーの描写。 ・試合の決着を先延ばしにしようとするツァラプキンの意図をはかりかねたキングに芽生える友への不信。 ・ツァラプキンの孤独と葛藤。 ・コードボールなどをからめた偶然のサスペンス。 ・現実の時間と放送されている時間の操作(テレビ中継に拠って指示を出している首謀者に、現実の試合より遅い映像を観させるため、リプレーにリプレーを挿入して、次第に時間差をひろげるという工夫をBBCが遂行)。30年前に書かれた作品なので、こういうことが可能。 ・狙撃される恐れを聞かされて、むしろ姿勢を高くして身を乗り出す女王の気概。 といったあたりです。 これから読む人のために、ネタバラシになりかねないこれ以上の説明は控えます。絶版ですが、どこかで見つけたら読んでみてください。脅迫電話までの150ページを乗り越えられたら、あとは十分楽しめます。大小とりまぜて「?」もなくはないですが、文庫本で180ページというテニス小説史上最長(たぶん)の熱戦に免じて、うるさいことを言うのも控えます。
by tennis_passtime
| 2007-08-18 12:27
| ●読書ノート
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