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![]() タグを使うことで整列させることができます『スポーツは「良い子」を育てるか?』(永井洋一著、NHK出版)という本を読みました。書名でもある問いに、地域の少年サッカーチームを指導し、日産FC(現横浜Fマリノス)のコーチングスタッフも務めたこともある著者はこう答えています――スポーツは良い子を育てることもある。 スポーツは健康や体力はもちろん、積極性、辛抱強さ、スポーツマンシップなど、子どもに良いものをもたらす可能性があります。しかしそれは、まわりの大人が子どもに健全なスポーツ環境を与え、正しく指導した場合のことです。少年スポーツの憂うべき現状にあっては、スポーツが子どもにマイナスの影響を与えることさえある、と著者は警鐘を鳴らしています。 少年スポーツの現状をつぶさに知る著者が指摘する、少年スポーツの憂うべき現状とは―― ●勝利至上主義のため、高度化と専門化が進み、スポーツエリートと、投げたり走ったりすることさえおぼつかない子どもに二極分化してしまっている。ふつうの子どもがスポーツを楽しむ場が失われつつある。最後の「調整力」については少し説明が必要かもしれません。著者は、スポーツの視点から見たとき、体力には、①筋力(パワー、瞬発力)、②持久力(粘り強さ、スタミナ)、③調整力(バランス、巧みさ)、④柔軟性(運動連鎖、ケガしにくい)の4つの側面があると説明したうえで、スポーツのスキルを修得する上で最も重要なのは調整力だと指摘しています。そして、調整力がもっとも伸びるのが、ゴールデンエイジと呼ばれる10~13歳頃なので、少年時代はパワーや持久力より調整力を重視するべきだ、というのです。神経系の機能は10歳で大人の90%近くにまで発達してしまうのに対し、パワーや持久力は、もっと年齢が上になってから鍛えても追いつくというのです。 以上のような認識に立って著者は、子を持つ親やスポーツ指導者に次のようなアドバイスをしています。 ●勝利至上主義の指導をしない。そのようなチームを避ける。宮里愛、横峰さくら、福原愛、斎藤佑樹、石川遼……華やかな成功例の影響もあって、子どもにスポーツをさせることに熱心な親が増えているように感じます。そのこと自体は恭賀の至りですが、この本が指摘するような過ちを犯さないよう、気をつけてほしいものです。 横浜テニス研究所的に要約させていただくなら、子どもには過剰な期待でプレッシャーをかけず、抱きしめる、這わせる、歩かせる、走らせる、キャッチボールの相手をする、好きなスポーツ(できれば複数)を楽しめる環境を与える、というシンプルな方針で育てましょう、ということでしょうか。そのうえで、見込みありと見極めたら、思い切ってエリート教育(推薦入学も含めて)に踏み切る勇気も必要なのだろうと思います。
by tennis_passtime
| 2007-06-20 11:39
| ●読書ノート
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