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![]() 月曜の朝刊で、松井秀喜著『不動心』(新潮新書)の出版広告が目にとまりました。思うところがあり、さっそく買って読んでみました。週末のテニスで自分なりに考えたことを、野球の名選手が「その通り」と言ってくれるのではないかという予感がしたのです。予感は的中。こんなことが書いてありました。 人には欲があります。チャンスでホームランを打ちたい、試験で満点を取りたい、仕事でだれもが納得するパーフェクトな結果を出したい……。自分にとって120%の結果を出せるのに越したことはありません。でも、仮に120%の結果が出てうまくいったとしても、それは確固たる裏付けがあるわけではありません。むしろ、その20%を欲張ったがゆえに自分のスタンスやアプローチが崩れてしまい、80%の結果しか残せないケースもあります。それだったら、最初から100%、つまり自分の中で日頃から心掛けていることや備えを出し切ることを目標にしたほうがいい。(p.143)週末に上手な人たちとテニスをして、気分的に一人負け状態になったとき、私はこう考えました。できないことをやろうとするから自滅する。落ち込む。できることさえできなくなる。 そう思ったので、飛んで来た球を、自分に打てる打ち方の範囲で返球することに徹しました。そのうち落ち着きを取り戻すことができ、かなわないと思った相手も、その人なりの弱点もあればミスもするということが見えてきたのでした。 できないことにチャレンジすることは大事で、おやじテニスといえどもそれがなくなったら楽しくなくなります。でも、チャレンジは無我の境地で行なうべきで、欲をかいてはいけません。格言風にいえば、「練習で背伸びし、試合では身の丈に徹す」とでもなるのでしょうか。 『不動心』には、ほかにもおやじテニスの参考になる箇所がありました。 打者はストライク3つでアウトになります。ということは、自分がほぼ100%攻略できるであろうボールがくるまで、少なくとも3球の猶予が与えられているわけです。……1球くらいは自分のツボにくる可能性はあるし、投手もミスはします。そういったボールをいかにして確実に攻略するか。(p.121)このくだりを読みながら、テニスでは1ゲーム取られるまでに4ポイントあるということを思いました。この事実を自分の味方にすることができれば、1つや2つミスをしても浮き足立たなくてすむかもしれません。 松井選手は昨年の5月11日に左手首骨折という大ケガをしました。復帰はしたものの、彼自身、左手は完全に元に戻ることはないと覚悟しているようです。 でも、それを悲しいとは思いません。それを含めて、この左手首と付き合っていくつもりです。以前と同じように動かないのならば、工夫して、練習して、トレーニングをして、骨折する前よりすごいバッターになってやればいい。心の底から、そう思っています。いつか現役を引退するとき、左手首を見つめて「おい、あのとき骨折してよかったなあ」と語りかけてやりたい。(p.17)松井選手はよくインタビューで、「自分でコントロールできないことは気にしない」という意味の発言をします。自分で何とかできることと、できないことを区別し、できることに集中し、できないことについてはクヨクヨ考えない、ということです。ケガをしたという過去も、完全には元に戻らないという現実も、自分にはどうしようもないけれど、その左手を使っていかにプレーするかは自分でコントロールできる、だからその一事に集中する。 この前向きな姿勢こそが松井選手の「不動心」の土台なのだろうと思いました。まさに、「『心の構え』で挫折は力に変わる」(帯の名コピー)です。
by tennis_passtime
| 2007-02-21 00:11
| ●読書ノート
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