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「読書メーター」というサイトに、自分のための備忘録として、読んだ本の感想を書いています。以下は2015年2月に登録した本です。ISIL(イスラム国)のニュースに刺激されてピックアップした本が多くなりました。
2015年2月の読書メーター 読んだ本の数:6冊 読んだページ数:1442ページ ナイス数:22ナイス イスラーム 生と死と聖戦 (集英社新書)の感想 この人を初めてTVニュースで見たとき、怪しげな外見(失礼)から偏見を持ってしまった。本書を読んだ後は敬意半分、近寄りがたさ半分というところ。敬意は、知識においても宗教的実践においても本格的ムスリムであることに対して。イスラム教に不思議な魅力も感じた。近寄りがたさは、私の常識とかけ離れていることによる。「カリフ制再興による領域国民国家システムの廃止はイスラーム法的にムスリムの義務であり、人類の未来にとっても急務」と述べる。無条件でないがジハードの暴力性も肯定する。誤解されることを気にしない潔さは立派。 読了日:2月28日 著者:中田考 子どもたちと話す イスラームってなに?の感想 2001年の9.11同時多発テロにより、世界各地でイスラム教とアラブ人への差別感情が高まりました。「イスラーム教徒は悪い人なんだよ。おおぜいの人を殺したんだ。わたしはイスラーム教徒なのはいやだな」と不安を訴える娘と父の対話で進む本書は、どこまでも平易なことばで書かれたイスラーム入門書です。著者はモロッコ出身、現代フランスで最も著名なムスリム作家にして社会学者。イスラームの伝統と誇りを語ると同時に、現代のイスラム国家における政教分離、民主的教育、女性の権利向上などの重要性を訴えていて、共感できました。 読了日:2月23日 著者:タハール・ベンジェルーン まんが パレスチナ問題 (講談社現代新書)の感想 アブラハムやモーゼの時代から現在(発行2005年)まで歴史を足早にたどりながらパレスチナ問題を絵解きした本。コマ割りではなく見開き単位の絵(場面や人物や地図など)と説明文で展開していきます。ユダヤ人とパレスチナ人の少年が時々口を挟みながらページが進み、2人が平和の希望を語るところで本が終わります。(2人の誕生の設定は、ユダヤ人とパレスチナ人の赤ちゃん取り違え事件を描いた映画「もうひとりの息子」(2012年フランス)と同じ。現在の根深い民族対立は、人類が犯した"壮大な取り違え"の結果なのかもしれません。) 読了日:2月22日 著者:山井教雄 統合失調症がやってきたの感想 松本ハウスというお笑いコンビのハウス加賀谷が統合失調症になった。コンビを解消し、閉鎖病棟への入院も経験するが、ついに復帰を果たす。この本はハウス加賀谷の闘病記ですが、書いたのは相方の松本キック。重いテーマながら、ユーモアも交えた書きっぷりでスラスラ読めました。相方の退院後も、季節の変わり目程度のスローなペースで連絡をとりながら、気長に復調を待った松本キックのコンビ愛もステキです。10年のブランクを経て2009年にコンビを復活したそうです。明るい気持ちになれました。 読了日:2月21日 著者:ハウス加賀谷,松本キック こんにちは、ユダヤ人です (河出ブックス)の感想 イスラエルといえばユダヤ人、ユダヤ人といえば迫害された流浪の民、という程度の認識しかなく、パレスチナ問題については溜め息をついて判断停止の私です。とっつきやすそうな外見に惹かれてロジャー・パルバース氏と四方田犬彦氏の対談本を手に取りましたが、イスラエルを見る2人の目の厳しさが印象的でした。▼パルバース:(イスラエルが)どこに一番似ているかというと、南アフリカです。アパルトヘイトです。マンデラが勝利する前の南アフリカですね。(p.115) ▼四方田:先住民を排除し組織的に虐殺し追放している。(p.116) 読了日:2月4日 著者:ロジャーパルバース,四方田犬彦 すべての戦争は自衛意識から始まる---「自分の国は血を流してでも守れ」と叫ぶ人に訊きたいの感想 ダーイシュ(ISIL)による日本人殺害が呼び起こす怒りと恐れを背景に、戦争できる国をめざす安倍首相の姿勢がますます露わになってなってきた。映画監督にして文筆家の著者が、望まない戦争を避けられない人間の愚かな性(さが)について考え抜いた一冊。学術的知見や知られざる事実を得る本というよりは(それがないという意味ではありません)、誠実な思索の姿勢にふれて勇気を得られる本です。書名だけで脊髄反射するネトウヨからは誹謗中傷、罵詈雑言の嵐らしいですが、それは良書の証というべきでしょう。 読了日:2月3日 著者:森達也 読書メーター
by tennis_passtime
| 2015-03-05 00:37
| ●読書ノート
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