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![]() 最相葉月『東京大学応援部物語』(集英社)を読みました。自己犠牲への陶酔、束縛を求める倒錯、反知性的傾向、好意的に言っても時代錯誤の物好き……きわめて意地悪な先入観で私は応援団を見ていました。 「応援」に命さえかけかねない心性を『絶対音感』のノンフィクション作家がどう読み解くのか、興味津々で読み始めました。読み終えて、彼らの持つヒリヒリするような連帯感と孤独を強く感じましたが、それだけでは彼らが「応援」し続ける理由は説明できないとも感じました。著者も最後までよくわからないまま、ただ不思議な感動を味わって戸惑っているようです。 個々の心の中にはもっと複雑でさまざまな想いがあるはずである。本書は、その上澄みを掬い取っただけかもしれない。ただ、これが、私がリーダー一人に一年間伴走して見てきたものであり、タイトルに「物語」とつけたのはそのためである。(あとがき) 考えてみれば当たり前で、たとえば野球部(何部でもかまいませんが)の部員を取材しても、達成感も動機も、迷いも不安もさまざまで、人が野球をする理由はこれだ、などということを言えるはずがありません。それでも、著者が掬い取った11人の「物語」を読み終えて、失礼きわまりない先入観はなくなり、人はなぜ「応援」するのか、少しだけわかったような気がしています。 ●ご用とお急ぎでない方はワンクリックをお願いします。
by tennis_passtime
| 2010-03-06 21:40
| ●読書ノート
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