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![]() ![]() ![]() 「さいたま市スポーツ文学賞」という文芸作品の公募賞があります。前身の浦和市時代から数えてこれまでに8回行なわれていて、各回の受賞作は1冊にまとめられて出版されています。1冊読んだらどの作品も素晴らしく、入手できた6冊30編を一気読みしてしまいました。 読んだからにはブログのネタにしなくては、というわけで、30編を勝手審査した結果を発表します。一定のレベルを越えてしまえば、あとは好き好きですから、当然ながら主催者が選んだ受賞作とは異なります。 それでは発表します。横浜テニス研究所スポーツ文学大賞は…… ●人生大賞「夜の運動会」岩崎重樹(マラソン) 夫に早く先立たれた弥生は、女手ひとつで息子を育てて40代も半ばを過ぎた。ジョギングの延長で臨んだ市民マラソン大会で好成績が続き、ランニング雑誌に紹介される。写真に映った自分の姿に落胆してページを閉じるが、その記事がきっかけで一通の手紙が届く。夜のランニングのような片隅の人生が静かな輝きを取り戻す、大人の恋の物語。 ●感動大賞「走れ、コウちゃん」工藤哲(高校野球) 事故で右腕は肘から先、左手は手首から先を失ったコウちゃんが甲子園大会の地方予選大会にベンチ入り。同点で迎えた最終回の守備はワンアウト満塁。ライトの守備についたコウちゃんのところに打球が……(クライマックスシーンはこちら) ●痛快大賞「真夏の夢」椋元浩水(高校野球) ホームスチールを3回成功させて勝利!? 高校野球地方予選の結果を報じる小さな記事に、定年間近の記者魂が騒いだ。平凡なチームが次々に成功させる奇策。意表を突く頭脳プレーのサインは誰がどこから出しているのか。ミステリー仕立てで読ませます。 ●気迫大賞「風」太田実(剣道) いじめのような先輩の指導に痛めつけられる史郎が、古流剣術と出会うことで己の限界を乗り越える。張り詰めた試合場の空気。裂帛の気合。ポイント競技としての剣道の解説も巧みな剣豪小説風スポーツ小説。 ●哀歓大賞「その土地を照らす光」長山志信(剣道) 前途を嘱望された職を擲ち、グアテマラに剣道指導の海外青年協力隊員として赴任した田辺。日本に残された恋人は田辺の理想を理解できず、去って行った。そうまでして打ち込んだのに、帰任の日を迎えたとき道場は閉鎖寸前だった。使命とは何か、成功とは何かを深く考えさせられる。「帰らないで」とすがった少年の声が胸を打ちます。 ●激走大賞「サハラマラソン 沈没日記」前田恵実子(サハラマラソン) ナイフは刃だけ。歯ブラシは毛先だけ。F1の緻密さで荷物を軽量化して臨む7日間220キロ。脱水症状に下痢。火傷のような日焼け。塞いでも塞いでもシューズに入り込む砂で剥がれる足の爪。過酷な砂漠のレースに解放を求める女性ランナーの姿を描く、臨場感満点のノンフィクション作品。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 下記は主催者が選んだ受賞作です。 ●第1回浦和スポーツ文学賞(未読) ●第2回浦和スポーツ文学賞(未読) ●第3回浦和スポーツ文学賞 大賞「真夏の夢」椋元浩水(高校野球)←痛快大賞 優秀賞「トーマス」国吉史郎(ボクシング) 優秀賞「たった一つの的が見える」袴田里帆(アーチェリー) 佳作「風の扉」甲斐英輔(ゴルフ) 佳作「二十九歳の挑戦」井上友孝(ボクシング) ●第4回浦和スポーツ文学賞 大賞「その土地を照らす光」長山志信(剣道)←哀歓大賞 優秀賞「リアルノーサイド―八人のサムライ」森泰生(高校ラグビー) 優秀賞「幼なじみ」山田たかし(マラソン) 佳作「瑠璃色の夜明け」榧守遼(登山) 佳作「二対一」五ノ池迅(スキー) ●第1回さいたま市スポーツ文学賞 大賞「サハラマラソン 沈没日記」前田恵実子(サハラマラソン)←激走大賞 優秀賞「僕たちは季節を知る」風野涼一(マラソン) 優秀賞「願いの叶う日のために」塚原桂子(女子サッカー) 佳作「走れ、コウちゃん」工藤哲(野球)←感動大賞 佳作「テイク・ファイブ」村松滋(ボクシング) ●第2回さいたま市スポーツ文学賞 大賞「帰郷」遊部香(サッカー) 優秀賞「マイルの履歴書」杉山高志(野球) 優秀賞「ポジション」井藤祥(サッカー) 佳作「熱犬」竹内次郎(ディスクドッグ) 佳作「ラブ・フォーティ」小川栄(テニス) ●第3回さいたま市スポーツ文学賞 大賞「伴に走る」及川彩子(マラソン) 優秀賞「夜の運動会」岩崎重樹(マラソン)←人生大賞 優秀賞「二十番目の選手」小川栄(高校野球) 佳作「走ること・抱きしめること」遊座守(陸上競技) 佳作「風」太田実(剣道)←気迫大賞 ●第4回さいたま市スポーツ文学賞 大賞「オガンバチ」藤井仁司(サッカー) 優秀賞「タイ・ブレーク」小川栄(高校テニス) 優秀賞「世界の一隅」遊座守(中学陸上) 佳作「カムイエクウチカウシ山残照」太田実(登山) 佳作「チューブ・ライディングの長い夜」北代司(サーフィン) 受賞作を収めた本は、浦和の第1回をのぞいて、すべて『SPORTS STORIES』という横文字書名で、「ぎょうせい」から出版されています。サブタイトルも同じ(すべて「第●回●●スポーツ文学賞受賞作品集」)なので、検索や識別がやや難しいです。浦和の第1回の作品集の書名は『浦和スポーツ文学賞受賞作品集』です。出版の際の一工夫がほしいところですが、作品は素晴らしいですし、有意義な事業を地道に続けているさいたま市とぎょうせいには敬意を表したいと思います。 ●自分もスポーツ小説を書いてみようかなと思った方はワンクリックをお願いします。
by tennis_passtime
| 2009-07-11 11:45
| ●読書ノート
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