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![]() テニスの聖地ウインブルドンのある英国で、テニスはどんなふうに人々の暮らしに根づいているのでしょう。中谷安男著『オックスフォードのスローライフ――テニスと緑を愛する国からのメッセージ』(新生出版)という本を読むと、うらやましくなるような英国人のテニスライフを垣間見ることができます。 著者はオックスフォード大学の客員研究員として、2002年に英国に1年間滞在しました。「テニス交流会。どなたでも参加できます」というポスターが貼り出されているのを見て、テニスコートに足を運びます。それがノーハムガーデン・ローン・テニス・クラブ(以下ノーハムガーデン・クラブ)でした。交流会では、親切な仕切り役の配慮で自然に仲間入りができ、著者は迷うことなくクラブの会員になります。 以下、この本に書かれている英国人のテニスライフを紹介します。 ひと味違う英国のテニスクラブ ●著者が入ったノーハムガーデン・クラブは、アレクサンドラ・コートというオックスフォード市が管理する公営のコートをホームとし、メンバーが自主運営している。それは特別なことではない。英国のテニスクラブは日本のように企業が運営しているケースは少なく、メンバーが運営資金を工面し、全員が満足できるように工夫しながら、ボランタリーに運営されている。 ●ノーハムガーデン・クラブは自主運営で、火曜と木曜はクラブ・イブニング、水曜は試合の練習、金曜と土曜はジュニアの練習、週末にはクラブ内交流試合などのプログラムがある。こうしたプログラムのない時間は、会員はいつでも自由にテニスができる。 ●年会費55ポンド。学生35ポンド。子ども20ポンド。13歳以下は15ポンド。家族会員は何人でも100ポンド。それでコートを使い放題。55ポンドといえば8000円強(安い!) ●英国中どこにでもテニスクラブがあり、「どこに引っ越しても次の仲間がすぐに見つかる」と著者は書いています。テニスが生活に根づいている様子がうかがえます。 地域クラブと英国ローン・テニス協会 ●ウインブルドン大会を主催するオールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブも、規模や歴史や会員層は違うけれども、数あるテニスクラブのひとつである。 ●英国ローン・テニス協会は各地域のクラブの上部組織であり、ウインブルドン大会やデビスカップの後援、ジュニアテニスの振興、各地域のクラブへの資金援助、クラブ対抗リーグ戦の管理運営、ジュニア育成など、テニス振興のためのさまざまな活動を行なっている。 ●ウインブルドン大会の余剰金は英国ローン・テニス協会に上納される。その額は、TENNIS誌(July2009)によると2008年で4000万ドル。 ●英国ローン・テニス協会からは、各地域のクラブにウインブルドンのチケットが1日2枚配布され、地域クラブのメンバーが購入できる。 盛んなクラブ対抗リーグ ●英国ローン・テニス協会には各地に支部がある。著者が入会したノーハムガーデン・クラブはオックスフォード州支部に属する。 ●全国で地域クラブ対抗のリーグ戦が行なわれている。ノーハムガーデン・クラブはテムズバレイ・リーグ(オックスフォード州とバッキンガム州のテムズ河周辺にある23のクラブで構成)に参戦している。対抗戦の結果の集計はローン・テニス協会が行なう。 ●クラブ対抗戦には、男子ダブルス、女子ダブルス、ミックスダブルスの3種目がある。各種目で1部から5部までレベル別のリーグ戦が行なわれている。各部のリーグの上位2チームが昇格、下位2チームが降格する。 ●1クラブから複数のチームが参加できる。著者のノーハムガーデン・クラブでは、男子ダブルスに3チーム(1部、2部、4部)参戦している。著者は4部でプレーし、キャプテンを務めました。 ●週末ごとに行なわれる長丁場のリーグ戦を欠員なく戦うには、1チームに8人は必要なので、望めばほとんど誰でも対抗戦のメンバーになれる。著者によれば、イギリス人は「公式戦」という響きが好きなのだそうです。 ●各クラブから2ペア出場。タスキがけで全4試合行う。各試合は2セットマッチ。1セットオールになれば試合は引き分け。4試合で取ったセットが多いクラブが対抗戦の勝者となる。 テニスを通じた人々の交流 ●試合後はホームチームがアウェーのチームを接待するかたちでティーパーティを行なう。なんとも英国らしい優雅な試合後のひと時。この談笑をcrackという。 ●チームのキャプテンはもちろんボランティア。メンバーの確保、相手チームとの連絡、天候の見極め、試合後の接待の段取りなど相当な気苦労があるらしい。 本はノーハムガーデン・クラブでのテニスライフを事細かく綴った自費出版的な内容のものですが、英国のテニス事情を知るうえで価値ある情報源といえるでしょう。このブログの読者のなかに英国在住の方がいらっしゃれば、追加情報などコメントしていただければ幸いです。 よかったらハイドパークのテニスコート報告もあわせてお読みください。こちらは旅行者向けの情報です。 ●ちょっと英国暮らしにあこがれを感じたという方はワンクリックお願いします。
by tennis_passtime
| 2009-07-10 23:38
| ●雑学・技術・科学
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