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今日のテニス本は曾野綾子著『テニス・コート』(1980年、角川書店)です。あらかじめお断わりしておきますが、テニスの本ではありません。書名の意味も私には不明です。
満月の夜、テニスクラブを経営する宇佐美暁照の家に、クラブの会員の主婦・永峰恭子、近所の修道院の下働きの修道士・池尾金之助、自転車店主・西賢次の3人が訪れ、日ごろの悩みや人生の考察をこもごも語りあいます。そこで宇佐美は、戦争中に南の島で手に入れた不思議な丸薬の話をします。それは一種の麻薬なのですが、高揚感や陶酔をもたらすものではなく、人を冷静にし判断力を高める不思議な薬で、宇佐美は何かに迷ったときにそれを呑んでいると明かしました。大いに興味をもった3人の客人は、丸薬を10粒ずつ分けてもらい、4カ月後の中秋の名月の晩にふたたび集まって服用体験を報告しあうことを決め、それぞれの暮らしに戻って行ったのでした。 そこから物語は3人の暮らしと心理に分け入って行きます。三者三様の憂鬱な境遇や悩み深き日々には暗い魅力があり、読み進むのは苦ではありませんでしたが、白状すると、結局のところ何が言いたい本なのかよくわかりませんでした。著者あとがきに、「麻薬による人間の精神の変化について書きたいと思って」書いたとありますし、カバーのそでには、「麻薬による精神の変化を通じ、人間とは、幸福とは何かのテーマを追求した長編野心作」と書かれているので、そういうことだろうとは思うのですが……不思議な味わいの本でした。 ●ご用とお急ぎでない方は下のアイコンに応援のワンクリックをお願いします。
by tennis_passtime
| 2009-05-08 23:57
| ●読書ノート
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