カテゴリ
記事ランキング
最近読んだ本
おすすめリンク
以前の記事
検索
その他のジャンル
|
![]() ![]() ![]() 佐藤多佳子『一瞬の風になれ』(講談社、2006年)。高校(神奈川県「春野台高校」)の陸上部が舞台の青春スポーツ小説。本屋大賞受賞作。 陸上初心者の主人公(神谷新二)と天才短距離ランナー(一ノ瀬連)の友情とライバル関係を軸に、二人が属する陸上部の多彩な面々が、競技者としても人間としても成長していくという、さわやかな物語です。登場する部員諸君は申し分のない少年少女ばかり(どの子が我が子でも子育て大成功)。部員に慕われる顧問の三輪先生も文句なし。地区予選、県大会、南関東大会とステージを移しながら描かれる陸上競技(短距離)の世界も魅力たっぷり、情報てんこ盛りです。 難点は2つ。まず、長すぎる。いくらなんでも大河ドラマ並みの3巻は必要ないでしょう。それから、主人公に語らせすぎ。物語は主人公の一人称で綴られるのですが、大小を問わず、ありとあらゆる出来事について主人公の解釈が語られ、心の動きが文字に起こされてしまっているので(だから長いのですが)、想像する楽しみが薄れ、主人公の人物像が逆にかたちづくれませんでした。 ちょっと辛口になりましたが、おゆるしを。まわりの読んだ人に聞くと、私みたいな感じ方は例外のようなので、未読の方は安心して「友情、努力、勝利」の青春小説を楽しんでください。 「スポーツ小説」は競技そのものの描写や技術的説明などが一定以上の割合を占めているべきだと私は考えています。その意味で、この本はまぎれもなく良質のスポーツ小説で、陸上競技(とくに100mと400mリレー)についての理解が深まりました。特に、速く走るためにはトップスピードに達したらリラックスしなくてはならないというコツは、速い球を打つためには力を抜いてリラックスしなくてはならないというテニスのコツにも通じるものがあり、興味深かったです。 [おことわり] この記事は去年、いまは停止中の別のブログに書いた記事です。昨日投稿した『ボックス!』紹介記事で、「『一瞬の風になれ』と似ている点がたくさんある」と書いたので、コピーして横浜テニス研究所ブログに投稿しました。 ●ご用とお急ぎでない方は下のアイコンに応援のワンクリックをお願いします。
by tennis_passtime
| 2009-04-28 00:24
| ●読書ノート
|
ファン申請 |
||