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車いすテニスのことは以前から知っていましたが、視覚障害者のテニスのことは知りませんでした。「テニス本千冊行」で出会った井上滋樹著『<ユニバーサル>を創る!-ソーシャル・インクルージョンへ』(岩波書店)という本で、その存在を初めて知りました。
目が見えない人が、コート上に転がるボールではなく、空中に浮いたボールを打つのです。そんなことが可能なのでしょうか? 著者の井上氏も初めて見たときに驚いたそうです。 「話には聞いていたが、まったく目が見えない状態で、前後左右に激しく動きながら、バウンドしたボールを小さなラケットに命中させて、しかもネットを越え、コートの中に入れる、そしてそのボールを打ち返す。そんな奇跡的なことができることに、呆然として、しばらくのあいだ、目を奪われた。」(同書p.49-50) ≪おもな特徴≫ ・直径9センチのスポンジ状のボールを使用。その中にピンポン球が入っていて、そのピンポン球の中に小さな鉛の粒が入っている。インパクト時やバウンド時に出る音を頼りにボールを打つ。 ・全盲者は3バウンド以内、弱視者は2バウンド以内に打つ。 ・晴眼者も加わるダブルス競技があるが、その場合、晴眼者が続けて打てるのは2回まで。 ・最初に球を出す時は「行きます」と言い、相手が「はい」と答えたら打つ。 ・たこ糸の上にビニールテープを貼ってコートのラインとする。テープの凸凹にラケットや足をこすりつけてポジションを確認する。 百聞は一見に如かず。YouTubeに動画があるのでぜひ見てみてください。 この視覚障害者テニス(ブラインドテニス)を考案したのは、全盲の武井実良(みよし)さんです。2006年10月出版の本に38歳と紹介されているので、現在は40歳か41歳でしょうか。20数年前、スポーツ好きでテニスに興味を持った武井少年は、音が出るボールがあればテニスができると考え、プラスチックボールに小石を入れて、埼玉県立盲学校で練習していました。たまたま居合わせた車いすテニスの団体の役員が、それを見て感銘を受け、各方面に紹介したことから、この競技が広がったそうです。 1990年10月21日に第1回視覚ハンディキャップテニス大会が開かれ、同日、日本視覚ハンディキャップテニス協会が設立されました。現在は30都道府県に競技者がいるそうです。武井さんは2008年の第19回全国大会で優勝しています。と言うか、協会サイトの大会成績一覧を見る限り武井さんは勝ち続けているみたいです。あっぱれ! 協会の会長である武井さんはイギリスや韓国でもデモンストレーションを行なっており、この競技は国際的に広がる可能性があります。国内普及のスポンサーは花王、海外普及のスポンサーはNECです。両社にあっぱれ! ブラインドテニスのことを教えてくれた井上滋樹著『<ユニバーサル>を創る!-ソーシャル・インクルージョンへ』(岩波書店)ですが、タイトルの「ソーシャル・インクルージョン」とは、ハンディキャップを持つ人も同じように社会に包含していく仕組みをともにつくっていくことなのだそうです。ユニバーサルデザイン、ユニバーサルサービスなどを含む、それらより広範囲な社会全体の取り組みと考えてよいのではないかと思います。 ●ご用とお急ぎでない方は下のアイコンに応援のワンクリックをお願いします。
by tennis_passtime
| 2009-02-05 00:56
| ●はみだし日記
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