素晴らしい試合に感動！

大会初日。伊達が登場。すごい試合を見せてくれました。第25シードのカネピ相手に、4-6、6-4、6-8。惜しくも敗れましたが、最後まであきらめない伊達の気力と体力に感動しました。

■1stセット
伊達のサーブで試合開始。両者落ち着いた滑り出しで互いにサービスキープ。3ゲーム目、伊達がなんと3本のダブルフォルトでブレークを許す。う～ん。

しかし乱れは3ゲーム目のみ。3-5からの9ゲーム目は切れの良いストロークでラブゲームキープし、4-5と食い下がります。スロービデオで映し出されたショットはおなじみのコンパクトなライジングショットで、期待が高まりました。

10ゲーム目は相手セットポイントで意表を突くリターンダッシュでボレーを決めるなど、スタンドを湧かせましたが、最後はフォアをアウトして4-6で1stセットを落としました。3ゲーム目が悔やまれました。

■2ndセット
1ゲーム目、2本のブレークポイントをしのいでサービスキープ。3ゲーム目、0-30からキープして2-1。必死に耐えながら流れを少しずつ引き寄せます。噴き出す汗。チェンジエンド時に水を大量に飲んで補います。暑そうで、疲労が心配です。

4ゲーム目、カネピの強いサーブが入っても伊達のリターンが返り始め、ついにブレークして3-1。ブレーク後のサービスゲームをきっちりキープして4-1。逆転勝ちの目が出てきました。解説の神尾米が「バナナ3本目です」と指摘。そのバナナが効いたのか、5-1と一気に引き離します。

しかしカネピも頑張り、強打とサーブで5-2、5-3と差を詰めます。9ゲーム目の伊達は、サービスダッシュでボレーを決めるなど、ここでセットを決めたいという気持ちを込めてカネピを揺さぶりましたが、前に出たところでパスを放たれ、5-4と実質イーブンに持ち込まれてしまいます。

数ゲーム前から疲労の色が濃くなっていた伊達は、ここでトレーナーを呼び、右足ふくらはぎを中心にケアを受けました。時間稼ぎではなく純粋に治療だったと思いますが、カネピにとっては嫌な間となったでしょう。10ゲーム目、ストロークのミスが続き、伊達が6-4でセットを奪いました。試合はフルセットに。激しい戦いになりました。

■3rdセット
伊達はセット間の休憩でいったんコートを離れました。カネピはコートにとどまりましたが、伊達を待つあいだイライラしているのがわかります。伊達が再びコートに現れて3rdセットが始まりました。ウエアを黄色からブルーに変えてリフレッシュした印象を受けます。伊達がメンタルをうまくコントロールして流れを一気に引き寄せるのではないかという予感がしました。

しかし、予感ははずれ、いきなりラブゲームでブレークされてしまいました。このクラスの試合では、そう簡単には勝てないということを感じました。1-3とカネピが先行します。5ゲーム目をなんとかキープして2‐3。キミコ･コールがスタンドから起こりますが、カネピがサービスキープして2-4。追い詰められる伊達。

しかし7ゲーム目、よく耐えて6回のジュースの末に取って3-4。「よく耐えた！感動した！」誰かのせりふを思い出しました。ここで流れをグイッとつかみます。グイッという音が聞こえたような気がしました。腰がしっかり落ち、フットワークに生気が戻り、相手の強打をしっかり切り返せるようになりました。8ゲーム目をラブゲームでブレークして4-4。9ゲーム目はラブゲームキープで5-4と逆転しました。なんと10ポイント連取！ 勝てる。

だが、世界は甘くない。10ゲーム目にカネピのサーブが爆発し、5-5と踏みとどまられてしまいます。カネピも立派です。11ゲーム目、伊達のサービスゲームをブレークして5-6と再び逆転します。12ゲーム目、伊達は3本のマッチポイントをしのいで6-6に戻しました。息詰まるような消耗戦。タイブレークがないファイナルセット。どこまで行くのだろう。目頭が熱くなりました。

先行してほしいと祈る思いで見つめましたが、13ゲーム目、6回のジュースの末にブレークを許して6-7と先行されます。そして迎えた14ゲーム目。伊達はあきらめることなく、それまでと同じ攻撃のテニスを続けましたが、勝利の女神がカネピに微笑み、ファイナルセット6-8で死闘に幕が下りました。

負けはしましたが、すばらしい内容でした。帰宅してから深夜の録画観戦でしたが、うっかり結果を見たり聞いたりしないよう、会社からの帰り道では細心の注意を払いました。その甲斐がありました。

伊達選手、お疲れさま。まだまだ世界で十分戦えることがわかりました。がんばってください。

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