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カテゴリ:●科学&フィジカル

  • 緑茶? オレンジジュース? やっぱりビール?
    [ 2011-02-09 23:48 ]
  • シングルス1セットで走る距離は1キロ強
    [ 2008-11-28 22:48 ]
  • テニスの試合で走る距離はどうやったらわかるか?
    [ 2008-11-27 23:08 ]
  • 心にブレーキをかけなければ
    [ 2008-07-19 00:55 ]
  • ボール×6 → ラケット×6 → 腕
    [ 2008-03-08 15:28 ]
  • MBT使用報告
    [ 2007-11-09 23:59 ]
  • ぐらぐらして不安定な靴――MBT
    [ 2007-04-28 09:38 ]
  • あなたのラケットのグリップサイズは?――ラケット研究5
    [ 2006-11-01 00:30 ]
  • グリップにこだわる――ラケット研究4
    [ 2006-10-30 22:42 ]
  • 3つのスイートスポット――ラケット研究3
    [ 2006-10-02 02:00 ]



緑茶? オレンジジュース? やっぱりビール?



先日届いたTENNIS誌(March,2011)に、アスリートが飲むべき飲み物が4種類紹介されていました。めったに読まないHEALTHセクションですが(読んでもズボラな私には実践できないから)、館山マラソンで還暦サブ・フォーを達成したMIさんに勧められた果汁100%のオレンジジュースが取り上げられていたので、興味を持って読みました。以下はその抜粋。参考になれば幸いです。

■ココナッツ・ウォーター
成熟前の緑色のココナツから採れる透明の甘い液体。11オンス(≒330cc)の純粋なココナッツ・ウォーターは60カロリー、脂質ゼロ、たんぱく質1グラム、炭水化物15グラムが含まれる。カリウム(汗をかいたら失われる)を豊富に含み(バナナ2本分)、天然のスポーツドリンクと言われる。そのまま飲むかスムージーにして飲む。運動後はそのまま飲むのがよい。

■緑茶
抗酸化物質(骨密度を高め、血圧・体脂肪・悪玉コレステロールを下げる)を豊富に含む。血行を促進し、運動に必要な酸素と栄養を細胞に行き渡らせる効果がある。老化の原因となる炎症を抑える効果もある。Ito En(伊藤園)のSencha Shot 6.4オンス(≒180cc?)缶には、他のブランドの緑茶の5倍の抗酸化物質が含まれている。

■果汁100%オレンジジュース
コップ1杯で1日に必要なビタミンCがとれる。ビタミンCは免疫力を高め、脂肪を燃焼させて運動エネルギーに変える。朝または運動開始30分前に飲む。

■ケファ
ウシ・ヒツジ・ヤギもしくは植物性のミルクから作られる発酵乳飲料。10種類ほどの腸内善玉菌(一般的ヨーグルトは2〜3種類)を含み、免疫力を高め、消化を助ける。

唯一商品名入りで勧められていたのが伊藤園のSencha Shot。これでなければ緑茶効果がないというわけではないと思いますが、日本での名前は何なんでしょうか。緑茶といえば、少し前に長寿効果の掛川茶を紹介したばかり。全豪決勝戦でマレーが何を飲んでいたかも気になっています。ということで、ドリンクへの意識が少々高まっている今日このごろ。とはいえ、愛飲しているのは相変わらずビールですけど。

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by tennis_passtime | 2011-02-09 23:48 | ●科学&フィジカル | Trackback | Comments(0)

シングルス1セットで走る距離は1キロ強


テニスの試合でプレーヤーはどれくらい走るか――横浜テニス研究所が考案した測定法を昨日の記事で紹介しましたが、それに匹敵(?)するような専門的研究が『新・テニスの科学』という本に載っていたので紹介します。

簡単に言うと、選手の頭に超音波と電波の発信機(ヘッドフォンのような形状)を装着し、コートサイドに置いた受信機で選手の位置を測定するというものです。超音波と電波は速度が異なるので、その到達時間の差から選手と受信機の距離がわかり、受信機を複数設置することで、選手の位置が特定できるというわけです。テスターは、プロトーナメントプレーヤーと大学テニス部の選手です。

同書の結論を引き写します。

●ダブルス1セット(13ゲーム/89ポイント)で、選手Aの移動距離は669.9m、選手Bは607.0m。
●サーバーとしてプレーする時の移動距離が最も長く、サーバーのパートナーやレシーバーとしてプレーする時の2~3倍。
●移動の最大速度は選手Aが3.69m/秒、選手Bが3.22m/秒
●本格的競技レベルのサーバーは、毎秒4m程度のスピードで15m走り続けることを、最大30秒の休憩をはさんで10回程度繰り返す体力が必要。
●シングルスの1ポイントの平均移動距離は13m程度。

シングルスの結論の根拠となっている測定結果は以下の通りです(55ポイント測定した結果の平均)。

移動距離:A12.4±8.9m  B13.4±8.6m
平均速度:A0.93±0.3m/秒  B1.02±0.4m/秒
最大速度:A2.66±1.1m/秒  B2.90±1.2m/秒

ダブルスと同じ89ポイントに引き直すと、Aの移動距離は1103.6±792.1m、Bは1192.6±765.4mとなります(±以下の測定誤差をどう扱うのが正しいのか自信がありませんが)。ごく大まかにいってダブルスの2倍ということになります。

力量が接近していれば1ポイントも長くなりますし、ジュースの繰り返しで総ポイントも増えます。プレースタイルによっても違いがあるはずです。1試合で走る距離、などという括りはあり得ないのですが、それでは面白くありません。ということで、(ここから先は私の勝手な断定です)シングルスで走る距離は1セット1km強、もつれれば2km弱……ということでいかがでしょうか?

新・テニスの科学』(日本テニス研究会監修、テニスジャーナル編、スキージャーナル刊、1994)「第12章 ポジショニングの秘密に迫る……テニス・プレイヤーの位置検出システムの開発」を参照しました。写真と図版も同書より。古い本なのでその後さらに精緻な研究が行なわれているかもしれません。

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by tennis_passtime | 2008-11-28 22:48 | ●科学&フィジカル | Trackback | Comments(1)

テニスの試合で走る距離はどうやったらわかるか?

おととい予告した「数学的アプローチによるテニスの分析」、いってみましょう。テニスの試合でプレーヤーはどれぐらい走るか--です。

[私が思いついた測定法1]
左図のようにテニスコート(ベースライン後方も含む)をグリッド分割する。選手はコート上のあらゆる場所を移動するけれど、同一グリッド内であれば、そのグリッドの中央でプレーしたものと仮定し、あるポイントが終了するまでの選手の動きをアルファベットで記録する。

たとえば、最初はベースライン後方中央のホームポジションIにいて、右に振られてJで打ち、Iに戻り、またJ、またI、次はうんと左に振られてG、そこから切り返しのエースを放ってポイントが終了した、とすると、このポイントでの移動はIJIJIGとなります。

「もうわかったからいい」という声がどこかから聞こえてきましたが、無視して進めさせていただきます。

AからKまでの11地点について、それぞれの間の距離を測っておいて(コートサイズが分かっているから実測しなくても割り出せます)、たとえばエクセルにIJIJIGを入力して、合計距離を計算させれば、そのポイントでの移動距離が出るはずです。

問題はIJIJGABCKIIIJJJFF……なんて最後まで記録をつけ通せるかどうか。通せるわけありませんね。

[私が思いついた測定法2]
選手の歩数を数える。大股、小股、いろいろなフットワークがありますが、あらかじめ平均歩幅を算出しておいて(コートの端から端まで〇歩で移動するから1歩〇cm)、あとはカウンター片手にテレビ観戦するという方法です。問題は、ナダルがコートの端から端まで走ってガッツポーズをしているときに、カチャ、カチャ、カチャと回数合わせのクリックを延々と続けなければならないことです。できるわけありませんね。

[私が思いついた測定法3]
選手にお願いして万歩計をつけてもらう。お願いできませんね。


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by tennis_passtime | 2008-11-27 23:08 | ●科学&フィジカル | Trackback | Comments(0)

心にブレーキをかけなければ

アスレチックトレーナーの鈴木清和さんの指導を受けました。千駄ヶ谷の東京体育館にほど近いマンションの一室で「スポーツ・マイスターズ・コア」というクリニックを主宰しておられる、若いけれど頼りになる先生です(ついでに長身で男前)。左半身に張りを感じることが増えたので、専門家に診てもらって日常的ケアの方法を教わろうと思い立ったのが受診の動機です。

まず最初に、東京体育館周辺のオープンスペースで、ふだん通りに走って観察してもらいます。10分ほどの短い時間ですが、先生は私の身体のクセを見抜き、違和感発生の理由を明快に説明してくれました。

・慎重に走りすぎ。きれいにまとめようという意識で、走りにブレーキがかかっている。
・ブレーキを外して走るということは、アクセルを踏むことではない。疲労はむしろ軽減される。
・左足の膝が使われておらず、股関節の力で走っているので負荷がかかかっている。
・右肩は前に出ているが、左肩が出ていない。
・背中が丸まって胸が縮こまっている。

では、どうすればよいか。アドバイスは3つでした。

・左足を内股にして走る (これは当面の対症療法。左脚太腿の対角線上にある筋肉をストレッチしながら走れるので、バネが復活する)
・肩を引き胸を張って走る (たとえ上半身に力が入る副作用があっても、ブレーキを外すメリットのほうが大きい)
・アゴを上げ胸を突き出す(腰がカチッとあるべき位置にはまって、脚が自然に前に進む)

これらを意識しながら走ると、確かに違いを感じました。クリニックに戻り、指導前と指導後の走りをビデオで観ながら解説してもらえるので納得度も違いました。映像で観る自分は、指導前はくたびれた足踏みオヤジ、指導後はがんばる走りオヤジでした。

次に、身体チェックと日常的ケアの方法を教わりました。施術台に寝て、手足を曲げたり、伸ばしたり、捻ったりしてもらいながらチェックを受けます。「鉄板が入ってますね」と思わず苦笑いの先生。私の身体をさわった人は誰もがそう言います。そのうち空港のセキュリティを通れなくなるのではないかと心配です。

そんな硬い身体を柔らかくするボディケアの方法をいっぱい教われるものと期待していたのですが、教えてもらったのはストレッチが3種類、補強体操が1種類でした。全体に良い効果を及ぼす、ごく少数のことを根気よく繰り返すのが改善の王道という考えのようです。

・肩のストレッチ(説明略)
・太腿前部のストレッチ(説明略)
・ふくらはぎのストレッチ(説明略)
・補強体操(両足を広げて立ち、肩を両脚のあいだに入れるぐらいのイメージで尻を後ろに突き出しながら腰を落とす)

あまりにも硬い腰をなんとかするのが自分では最優先と思っていたので、「肩と太腿前部ですか……」と疑問を呈すると、そこが硬いから腰が硬くなっているんですとの説明。なるほど、これぞ身体のプロの洞察。私、先生について行きます。

ストレッチと体操の後、再び外に出て走りました。

 先生:止めてくれるな~って感じでしょう?
 私 :確かに。最初とは全然感じが違いますね。
 先生:それが本来その人が持っているスピードです。
 私 :でも、この速さではフルは走れませんよね。
 先生:何を言うんですか。走るんです。
 私 :え~っ?! 4時間切っちゃいますよ。
 先生:切れますよ。心にブレーキをかけなければ。

心にブレーキをかけなければ……人生のあらゆるチャレンジに通じる崇高な箴言を胸にしまってクリニックを後にしました。次のフルマラソン、5時間切りは鉄板となりました。

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by tennis_passtime | 2008-07-19 00:55 | ●科学&フィジカル | Trackback | Comments(0)

ボール×6 → ラケット×6 → 腕


Technical Tennisという本に興味深いことが書かれていました。

ボールとラケットと腕の重さ
テニスや野球では、バットやラケットの重さは、ボールの重さの5~6倍、それを持つプレーヤーの腕(野球では両腕)の重さの1/5~1/6倍が普通だというのです。テニスボール57g、ラケット342g(ボールの6倍)、腕2052g(ラケットの6倍)という概念図が掲載されています。

本当でしょうか? 5~6倍という幅を加味して計算すれば、ボール(ルールにより56~59.4g)→ラケット(280~356.4g)→腕(1400~2136g)となります。ラケットはほぼ当てはまっています。腕は?「腕の重さ」は知りませんが、同書には「だいたい2000g、体重の重い男性は両腕で6000g」とあります。もう少し重いような気もしますが、だいたいOKということにして話を進めます。

なぜ、このように「1:6法則」(これは私の勝手な命名です)が成立しているのでしょう? 同書は2つの理由を挙げています。

速さと重さの兼ね合い
インパクト後にボールが飛び出す速度は、ラケットのスピードと重さで決まります。ラケットが重ければ、ボールは飛びますが、ラケットスピードが出ません。軽ければラケットスピードは出ますが、ボールを跳ね返す力が不足します。この速さと重さの兼ね合いで1:6前後に収まっているというのが第1の理由です。

パワーの効率的伝達
第2の理由は、インパクトの瞬間にラケットが最大のエネルギーをボールに与えるためには、前腕が減速しているときにラケットが最大速度に達さなければならい、というものです。

ラケットを振るとき、上腕→前腕→ラケットの順で動き始めます。まず上腕が最高速度に達します。次に、上腕が減速しはじめたときに前腕が最高速度に達します。次に、前腕が減速しはじめたときにラケットが最高速度に達します。そこでインパクト!というのが最も効果的なパワーの伝達なのだそうです。(全部が最高速度で一致したときにインパクト、というのがベストな気がしますが、そうじゃないんですね・・・。力を抜いたほうがラケットスピードが上がるという実感とも関係がありそうです。これはさらなる研究課題です。)

ラケットが重すぎると振り遅れ状態(ラケットが最高速度に達する前にインパクト)、ラケットが軽すぎると振り急ぎ状態(ラケットが最高速度に達したあと、減速しはじめてしまってからインパクト)になりがち。この観点からも、重量比1:6あたりが理に適っている、ということのようです。

ちなみに、腕とラケットの動きは「複振子」(double pendulum)の動きと似ているのだそうです(複振子って何ですか?)。ゴルフのスイングにも、ボールを投げる動作にも、歩いたり走ったりする動作にも、同じことが言えるのだそうです。なんとなくわかるような、わからないような・・・。

参考文献:Technical Tennis
『テニスの物理学』というべき内容で、サブタイトルは「ラケット、ストリング、ボール、コート、スピン、バウンド」。著者のロッド・クロスはシドニー大学准教授でテニス物理学の研究者。クロウフォード・リンゼイは『ラケット・スポーツ・インダストリー』誌編集長。本稿は34~35ページに全面的に依拠。



by tennis_passtime | 2008-03-08 15:28 | ●科学&フィジカル | Trackback | Comments(0)

MBT使用報告


半年前に、靴底が弧を描いていて不安定な、MBT(Masai Barefoot Technology)という靴を買いました。そのとき、使い込んだら検証結果を報告すると書いたので、その約束を果たすことにします。

この靴を履くと、不安定であるがゆえに、体が無意識のうちにバランスを取ろうとし、そのため全身の筋肉が活性化し、人間の体が本来持っている自然なバランスを取り戻すことができる、とメーカーは言っています。そのため、脊椎や関節への負担が軽減し、腰痛、膝痛を解消する、というのが効能です。

どれぐらい不安定かと言うと、MBTを履いているとき、電車の中で吊革を持たずに立っていることができません(底が平らな普通の靴を履いていれば簡単ですが)。そういうこともあってか、普通の靴より履いているのがしんどい感じはあって、家を出るとき、この靴を履くのには、多少の決意が要ります。

たぶん平日の7~8割(日数)はこの靴を履いていると思いますが、効果は確かにあります。私の場合、腰まわりのこわばりが緩和されました。以前は、寝ている姿勢から立ち上がるのに骨が折れたものですが(寝たきり老人予備軍)、いまはそんなことはありません。テニスコートで順番待ちの時間があると、コートに立ってもすぐには体が動きませんでしたが、いまは最初のポイントからまずまずスムーズに動けます。

以前読んだ古武術の本にも、体を不安定な状態にしておくほうが腰や膝のために良い、という主旨のことが書かれていました(探したけれど見つからず、ここに引用できないのが残念)。スイス人エンジニアが開発したこの靴、けっこういけると思います。お勧めしても大丈夫そうです。



by tennis_passtime | 2007-11-09 23:59 | ●科学&フィジカル | Trackback | Comments(2)

ぐらぐらして不安定な靴――MBT




ちょっと変わった靴を買いました。底が弧を描いているため、ぐらぐらと不安定な、MBT(Masai Barefoot Technology)という靴です。

平らなアスファルトの上でも、この靴を履けば、自然な土の上を歩いてるのと同じ不安定な状態になり、体が無意識のうちにバランスを取ろうとします。そのため全身の筋肉が活性化し、代謝量が増え、血行が促進され、脂肪が燃焼されやすくなるのだそうです。人間の体が本来持っている自然なバランスを取り戻すことで、脊椎や関節への負担を軽減し、腰痛、膝痛を解消するなど、いろいろありがたい効果がある、と効能が記されています。

アキレス腱痛、腰痛、膝痛に苦しんでいたカール・ミューラーというエンジニアが、草原や森の柔らかな地面を歩くと痛みが軽減されることに気づき、この逆転の発想のシューズを開発したそうです。裸足歩行するマサイ族の名を取ってMBTと命名。会社の名前もスイス・マサイ社としました。

私はMBTを、渋谷のアートスポーツに行くたびに手にとって眺めていました。3万円と高価なので何度も逡巡しましたが、あるお医者さんから、「50歳にもなって健康への投資を惜しんだらだめですよ」と言われ、ついに買ってしまいました。

MBT初日、恵比寿の写真美術館で映画を観たときに隣りに座った女性(60代か)もMBTを履いているのに気づき、ちょっと愉快になりました。

使い込んだら、そのうち検証結果を報告します。



by tennis_passtime | 2007-04-28 09:38 | ●科学&フィジカル | Trackback | Comments(1)

あなたのラケットのグリップサイズは?――ラケット研究5


ラケットにはグリップサイズが「2」とか「3」とか表示されていますが、この数字にはどういう意味があるのでしょう。

また、「2」には「4 1/4」、「3」には「4 3/8」と併記されているのが普通ですが、この数字の意味をご存知でしょうか。

グリップサイズの数字の意味

答えを言うと、「4 1/4」とか「4 3/8」というのはグリップの円周の長さで、単位はインチです。グリップサイズの「2」とか「3」は、「4インチ + 8分の2インチ」とか「4インチ + 8分の3インチ」という意味で、「1」から「8」まであります。

グリップサイズとグリップの円周(インチおよびミリメートル)の関係は以下のようになります。

サイズ1 = 4 1/8インチ         = 105mm
サイズ2 = 4 2/8インチ = 4 1/4インチ = 108mm
サイズ3 = 4 3/8インチ         = 111mm
サイズ4 = 4 4/8インチ = 4 1/2インチ = 114mm
サイズ5 = 4 5/8インチ         = 117mm
サイズ6 = 4 6/8インチ = 4 3/4インチ = 121mm
サイズ7 = 4 7/8インチ         = 124mm
サイズ8 = 4 8/8インチ = 5インチ   = 127mm

細いグリップが当たり前と思っている日本人

日本のテニスショップで売られているラケットは、グリップサイズが「2」か「3」というのが圧倒的に多いのですが、SOHOストリンガー/横山さんは、メーカーの事情でそういうことになっていると指摘します。

すなわち、グリップが太すぎるラケットを買ってしまった人は返品するでしょうが、細い場合はグリップテープを巻いて調整するので返品まではしない場合が多く、メーカーとしては小さいサイズのほうが安全です。しかも、1/8インチ刻みに各種揃えるより、できるだけ少ない種類に集約したほうが在庫ロスが少なくてすみます。そういうわけで、「2」と「3」あたりを集中的に生産しているというわけです。

もしかしたら、真相は逆で、みんなが「2」と「3」しか使わないから、メーカーも「2」と「3」しか作らないのかもしれません。

いずれにしても、日本ではグリップは「2」か「3」が当たり前ですが、横山さんによれば、「2」や「3」はほとんど子供用というべきサイズで、平均的な成人男性なら「5」か「6」ぐらいが適当だというのです。

そう言われても、いきなりラケットを買い換えるのはお金もかかりますが(そもそも「5」や「6」のラケットは売っていないかも)、グリップテープで調整することなら容易です。厚さ0.5mmのグリップテープを巻くと、円周にして約3mm(半径0.5mm×2×円周率3.14=3.14mm)、グリップサイズにして「1」アップします。思い込みを排して、違うサイズの握りを試してみるのもいいかもしれません。

太いグリップのメリット

グリップが太いほど手首を柔らかく使え、面の微妙なコントロールが可能になる、と力説する横山さんのホームページには、自分の手に合ったグリップサイズの選び方がわかりやすい写真つきで紹介されています。

SOHOストリンガー/横山さんのホームページ
■グリップサイズの測り方
■日本のグリップは細すぎる!



by tennis_passtime | 2006-11-01 00:30 | ●科学&フィジカル | Trackback | Comments(5)

グリップにこだわる――ラケット研究4


上の2枚の写真はラケットのグリップですが、左のグリップ、どこか変だと思いませんか? そうです。左のグリップはエンドが大きく出っ張っています。これはラケットにこだわるI 塚さんのラケットのグリップで、右が普通のラケットのグリップです。

I 塚さんのグリップがこういう形状をしているのは、まずエンド部だけグリップテープを幾重にも巻いて出っ張らせておいて、その上から改めて別のグリップテープを巻いているからです。

I 塚さんによれば、こうすることで、指がグリップに引っかかって楽に握れるのだそうです。小指がはみ出すぐらい長めに握ります。私もやってみましたが、実に具合がいいです。みなさんもお試しあれ。

I 塚さんの工夫に感心していたら、バボラが一部の機種に、ひょうたん型の窪みをつけた「スマートグリップ」を搭載しました。ショップで握ってみましたが、私には「I 塚グリップ」のほうがしっくりする感じです。



by tennis_passtime | 2006-10-30 22:42 | ●科学&フィジカル | Trackback | Comments(0)

3つのスイートスポット――ラケット研究3

今回のテーマは「スイートスポット」(Sweetspots)です。ラケットには3つの「重さ」があると「ラケット研究1」で説明しましたが、「スイートスポット」も3つあります。「自然界は"3"を好む」と誰か有名な人が言っていませんでしたか? 言っていなければ私が言ってもいいです。少なくともラケットは「3」を好むようです。

スイートスポットとはどういう点のことでしょう? フレームショットの痺れるような衝撃が「甘美だ」という人はいないでしょうが、あらためて問われると、答えに詰まるのではないでしょうか。

スイートスポットとは次のような点のことです。

(1)腕が受ける衝撃が最小
(2)ラケットの振動が最小
(3)ボールを飛ばす力が最大

そして、これら3つの点はラケットフェース(ストリング面)上に別々に位置しています。だから「スイートスポットは3つある」というわけです。

私は、「飛ばす力が大きい」というのがスイートスポットの定義で、そこでは衝撃も振動も小さいのだと思っていました。つまり、1点が3つの性質を持っているのだと誤解していたわけです。

「スイートスポットが20%拡大」などと書いている広告を見かけますが、3つのスイートスポットはどれも面積のない「点」ですから、正確性を欠く宣伝文句です。そもそも、どの意味でスイートなのか明らかでありません。3つ全部を囲んで、ついでにその周辺まで範囲を広げて、このへんまでスイートなことにしておこう、と言っているとしか思えません(「スイートエリア」と書いているメーカーは、まだしも良心的です)。

それでは、3つのスイートスポットについて説明していきましょう。

衝撃最小のスイートスポット(Center of Percussion)

まずは衝撃最小のスイートスポットから。

「衝撃がない」とはどういうことでしょう? インパクトの瞬間、ラケットは全体として後ろに押されます。と同時に、バランスポイントを回転軸とする慣性モーメントが働いて、ヘッドは後退し、グリップは前に突き出ます(ラケット研究2「リコイルウエイト」参照)。このとき、ラケット全体が押されて後退する大きさと、グリップが前に突き出る大きさが相殺しあってゼロになれば、手に感じる衝撃はなくなります。

そのような打点をCOP(Center of Percussion)といいます。COPでボールをヒットすれば衝撃がなく心地良いので、「衝撃最小のスイートスポット」というわけです。

勘の良い人はもうおわかりでしょうが、COPの位置は、グリップのどこを握るかで変化します(言い換えれば、握った位置それぞれに1対1対応するCOPが存在します)。ラケットを短く持てばCOPはヘッド寄りに移動します。

COPの位置は、ラケットのスイングスピードやショットの種類(トップスピン、スライス、サーブ、ボレーなど)によって変わることはありません。ラケットそのものが持つ属性と、握る位置によってのみ変化します。

COPの位置を知る方法は以下の通りです。

ふだんのラケットの握り方で人差し指が来る位置を支点としてラケットを振り子のように揺らし、1往復に要する時間を測ります。それをt秒とすると、COP(振り子の支点からの距離)=248×t×t(単位はミリ)ということになります。

振動最小のスイートスポット(Vibration Node)

次は振動最小のスイートスポットです。

ボールを打つとき、どんなに硬くてもラケットはしなり、振動します。振幅はラケットトップ(一番先端)とグリップエンド、そしてラケット中央部で最大になります。このとき、ラケットには振幅ゼロのポイントが2カ所ありますが、そのような点をバイブレーション・ノード(Vibration Node)といいます。振動がなく心地良いので、これもスイートスポットというわけです。

ノードは2カ所あるといっても、1つはグリップトップ(グリップの一番上の部分)付近なので、実際にボールを打つスイートスポットといえるノードは1箇所ということになります。

そのノードですが、正確には「点」ではなく、フレームの2時と10時を結ぶ「曲線」の上に存在します。オフセンターヒットであっても、その曲線上であればラケットは振動しないのです。ただし、そんなところで打ったのでは、前回書いたように、ツイストウエイトが働いてラケットが手の中で回転するので、決してスイートではありません。結局のところ、「振動最小のスイートスポット」といえるのは、ラケットの中心線上のノード(1点)だけということになります。

バイブレーション・ノードの位置を知る方法は以下の通りです。

グリップトップ(もう1つのノード)を2本の指でつまんでラケットを支え、もう片方の手でボールを握って、フェースのあちこちをコツンコツンと叩きます。するとラケットをつまんだ指に振動を感じる点と感じない点があります。感じない点がバイブレーション・ノードです。

ちなみに、振動止めはストリングの振動は止めてくれますが、質量が小さすぎるため、ラケットの振動を止めることはできません。振動は不快ですが、手、手首、前腕、肘などに悪いという臨床上の証拠はないそうです。

パワー最大のスイートスポット(Power Point)

最後はパワー最大のスイートスポットです。

プレーヤーが小さい力で打っても速い球を飛ばしてくれるラケットを「パワーがある」といいます。ラケットはパワーがあればあるほど良いわけではなく、ありすぎると力をセーブして打たなくてはならない(ラケットのパワーがスイングの邪魔になる)ので、フォームが窮屈になり、テニスが楽しくなくなります。

プロはたいてい飛ばない(パワーのない)ラケットを持ち、体のパワーを全開にして強い球を打ちます。サンプラスが全盛期のころ、ウイルソンのカタログに掲載されていた各種モデルのなかで、サンプラスモデルのパワーがいちばん小さいと表示されていて、一瞬、不思議に思ったことがあります。われわれのような週末プレーヤーでも、飛ばないラケットに持ち替えたほうが、のびのび振れて力のある球が打てるようになることが少なくないようです。

飛んで来るボール速度に対する打球後のボール速度の比を、見かけの反発係数(Apparent Coefficient of Restitution : ACOR)といいます。フェース上でACORの値が最大となる点がパワーポイント(パワー最大のスイートスポット)ということです。

そんな点はどこにあるのでしょう?

グリップを握ってフェースが地面に平行になるようにラケットを差し出し、ボールを上から落としてみてください。どこに落ちたときがいちばんよく弾むでしょう?

「スロート寄り」(フェース下部)ですね(写真の黄色い円あたり)。予想通りでしたか?

ということは、パワーポイント(ACORが最大になる点)はスロート寄りにある……ということでしょうか? ちょっと待ってください、それはちょっと変ですね。そんなところで好んで打つ人はいません。フェースの中央で打つほうが球が飛ぶというのが素朴な実感です。これはどういうことでしょうか?

この謎を解くカギは、ボールを打つとき、ラケットは静止しているのではなく弧を描いて運動しているという点にあります。弧を描いているので、運動の速度はスロート付近よりラケットトップのほうが大きく、ボールに加わる力もトップのほうが大きくなり、そのためパワーポイントはスロート寄りからフェース中央へと上方移動するわけです。(ボールを上から落とす実験では、ラケットは静止していますから、厳密な意味でのパワーポイントはフェースの中でさえなく、バランスポイント(ラケットの重心)上にあります。)

もちろん、先すぎると、ラケットがボールに押されてしまいますし、ストリングがボールを撥ね返す効果も小さくなるので、どこまでもトップへと移動するわけではありません。ごく大まかに言うと、パワーポイントはストロークではフェース中央に、サーブ(フラットサーブ)ではフェース中央とトップの中間あたりに存在します。

サーブは先のほうで飛び、ボレーは手元で飛ぶ

パワーポイントの位置を割り出す理屈も計算方法もあるみたいですが、チンプンカンプンなので省略します。日本語で公式風に言うと、ボールの入射速度に対するラケットヘッドの相対速度が大きいほど、パワーポイントはラケットトップ寄りに移動する、ということです。

私にとって、これは衝撃的な発見でした(ちょっと大げさ)。このラケット物理学上の真実は、テニスプレーヤーにとって実に大きな意味をもっています。

ボールの速度に対してラケットの速度がいちばん大きいのはサーブを打つときですから、パワーポイントはかなりトップ寄りに移動することになります。サーブでは、ストロークのときよりトップ寄りで打つほうが、威力のある球が打てるというわけです。そう心がければ、速いサーブが打てるだけでなく、打点も高くなってサーブが成功する確率も高まります。

逆に、ラケットが弧ではなく平行移動に近い運動をするボレーでは、ボールに対するラケットヘッドの相対速度は小さいですから、パワーポイントはスロート寄りのままです。なので、いくぶん手元でインパクトしたほうが、力のある球を返すことができます。

ストロークではフェース中央付近がいちばん飛ぶ(パワーがある)というのは常識的ですが、「サーブは先のほうで飛び、ボレーは手元で飛ぶ」というのは、私には新鮮な発見でした。私事で恐縮ですが、最近、このことを意識するようにしたおかげで、サーブとボレーが上達したような気がします。そう思っているのは私だけでしょうか?

私だけのようなので、今日はこのへんで終わりにします。理屈っぽい話(しかも長い!)が続いて恐縮です。断続的にまだまだ続きます。



by tennis_passtime | 2006-10-02 02:00 | ●科学&フィジカル | Trackback | Comments(1)

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